九州北部豪雨より3年。

 6月13日、『めぐみの里』(福岡県八女市)の生産者でトマトやお茶を作られている中島さんの畑に伺いました。トマトの取材と石拾いのお手伝いをしてきました!「石拾い?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、本当に石拾いをしてきました。なぜなら中島さんは九州北部豪雨で被害に遭われた1人だからです。

 3年前までハウスで薔薇を栽培されていた中島さん。九州北部豪雨で地滑りの被害に遭い、ハウスの中央ぐらいの位置に、1.5mの深さで2mの幅の溝がハウスを横断するように横向きに入りました。そして山側からは雨で流されて土砂が流入。その畑は約3年掛かってやっとトマトやなす、いんげんなどの野菜が育てる事ができました。それでもまだ半分の面積で野菜が育てられるようになっただけです。

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 中島さんの畑は復興支援で整地や土地の補強に補助を受けましたが、申請、工事、検査などいろいろな工程がある為、やっと去年の冬に整地が終わり、ビニールハウスを立てました。しかし、流れてきた土砂などを整地している為、畑ではなくグラウンドの様な土になっていました。地面を掘ると石が沢山でてきます。とても野菜を植えるどころではありませんでした。産直クラブでもお手伝いに行ったのですが、昼まで6人で作業をして、ビニールハウス1棟の半分も終わりませんでした。しかも、この1回で終わるのではなく4回繰り返し同じ場所をやらないと難しいとの事。中島さんが冬から人を雇いながら作業して、ビニールハウスが8棟ある中の4棟まで終わって、野菜を育てる事ができる状況になった所でした。

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 普段なにげなく生活をしているとついつい忘れがちになってしまいますが、豪雨被害から3年が経った今も、復興に向けて戦われている方がたくさんいらっしゃいます。中島さんも今年還暦を迎えられますが、国の補助が出るとはいえ借金をしてビニールハウスを建て、これから出来るだけ無農薬で育てられるようにと、僕たちのために野菜を育ててくれています。その姿は皆さんにも見ていただきたいぐらい輝いています。

災害に負けず、前向きな『めぐみの里』の中島さんの野菜、お茶をよろしくお願いします。